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大学はさらに就職予備校化?「国立大入試2次の学力試験廃止、人物評価重視に」

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これはまた、大胆な政策ですね。

政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の 2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある。実行する大学には補助金などで財政支援する方針だ。

同会議のメンバーである下村博文文部科学相が、毎日新聞の単独インタビューで明らかにした。

同会議は「知識偏重」と批判される現在の入試を見直し、センター試験を衣替えした複数回受験可能な新しい大学入学試験と、高校在学中に基礎学力を測る到達度試験の二つの新テストを創設し、大規模な教育改革を進めようとしている。11日の会合から、本格的な議論に入る。

Twitterなどをみると、割と反対意見が目立つ中で、僕も直感的に「反対」と思ったのですが、

よく考えると、真っ向から否定するものでもないかなと思います。

 

この制度が採用されると、

「平均的に頭が良くて、世渡り上手な人間ばかりが難関とされている大学に合格できる」

ということになってしまいそうです。

響きは悪いですが、時代の流れに沿っているのではないかと感じます。 就職活動でも、現実は「平均的に頭が良くて、世渡り上手な人間=コミュ力が高い人間」を求められています。

推薦入試やAO入試入学者が半数以上を占めている難関私立大学がほとんどですし、そうやって入学した、学力がそんなに高くない学生もエリートとして社会で活躍しています。

これまで「学力はそんなに高くないけども、人と話すことは得意だし、要領だけは抜群にいい」みたいな人が学歴社会の中でトップ企業に入ることができなかったのであれば、それは社会にとって損失です。

基準がはっきりしないという問題もありますが、それは今の就活と同じでしょう。

 

でも、そうした人たちばかりが評価される社会になってしまうと、日本の学力低下を招いてしまう気もします。 一生懸命勉強したら、損なシステムになってしまう。

いや、もはや大学ではそう成りつつあります。一生懸命、毎回授業に出席し、ノートを取る学生よりも、要領よく学内でネットワークを作り、授業には最低限しか出席せず、要点を押さえたノートを皆でシェアして試験をクリアする学生の方が評価される。

そんな社会になりつつありますが、 本当に勉強が好きな人は勉強するだろうし、そうした人たちもきちんと評価し、 例えば研究や技術者として、社会で活躍できる仕組みも作る事ができれば、 そこまで否定するようなシステムではないような気がします。

 

ただ、これは大学が「就職予備校」化していることが前提です。

根本的に就職活動の形が問題だと思っています。勉強したくないのに勉強するための大学へ行かないと、エリートのレールから外れてしまう。僕はもう真剣に大学へ行く意味がよく分かりません。笑

大学が、大学の大義名分を残すならば、学力重視の試験にしておくべきだと思います。

文部科学大臣はアメリカの入試を例に出していましたが、アメリカのように門戸を広くし、勉強しないと卒業できないようなシステムにすれば、 少しは勉強する学生が集まり、大学が大学として昨日するのではと思いました。

引用・参考:毎日新聞