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ショーンK氏の騒動から思う「経歴」の重さ。

Sashou

人気コメンテーターの経歴詐称問題が世間を賑わせています。

様々な意見が飛び交う中で、僕は詐称したことについて擁護するつもりはありません。

しかし、なぜイケメンで弁の立つ方がそこまで詐称する必要があったのでしょうか。

今回の騒動から経歴の持つ影響力について考えてみます。

全てのモノの価値を正しく認識するは大変難しいことです。お店で売られている宝石の本当の価値がいくらか、原価がいくらかなど、そんなことは一般人には知る由もありません。

コメンテーターの発言の真偽や価値も、一部のその分野の有識者を除いて、誰も分かりません。ですから多くの人は、外見や経歴、信用、実績などをモノサシにして、そのものの価値を判断しています。

 

私たちエンターテイナーも同じです。

ある程度の基準をクリアしていると、そのパフォーマンスが素晴らしいものであるか、そうでないかは、その世界の人間にとっては理解できても、多くの人にとっては分かりません。

僕もキャスティングの仕事をする際は、ある程度、経歴は見ます。もちろんそれが全てではありませんが、一つに基準にはなります。

 

各メディアの論調を見ると、経歴を詐称していたことが判明し、彼の発言を批判しはじめました。

経歴や実績というのは、それほどに影響力を持ちます。

 

実力があるんだから、「経歴詐称なんて必要なかったのに」という声も上がっています。

しかし、メディアで経歴を無視した実力主義を採用するのは難しいことでしょう。経歴があるから、実力があるという評価に繋がるのです。特にコメンテーターという立場では、威光の存在が発言の説得力に繋がります。

 

何を語るかよりも、誰が語るのかというのがメディア発信においては重要です。

逆に言うと、その世界で活躍するには看板や肩書きが非常に有利に働きます。

 

もっと言うと、肩書きや実績がある人間が行う行為は、本来の価値よりも高くジャッジされる傾向にあります。例えば面接で同じことを言っていても、一人は超高学歴、一人は中卒だと、発言の価値は前者の方が高くなる。有名な監督が作ったと聞かせれて見た映画と、素人が作った映画と聞かされて見た映画。同じものだとしても、前者の方が評価される。

 

これをハロー効果と言ったりしますが、私たちはある種の思い込みの世界で生きています。

世の中の作り手たちは、多かれ少なかれ、意識的にしろ無意識的にしろ、そのような思い込む力を利用して、モノの価値を作っています。

 

だから、それがいきすぎたハリボテ工事だと、それが判明した途端、大きな批判に繋がります。

人は誰しも、自分の価値を高く見せたい欲があります。だからといって、ハリボテ工事をすると、全てが水の泡になってしまいます。

 

僕も公ではマジシャンとしての自分を演出しています。表に出すこと、出すべきじゃないこと、それらは線引きしています。ありのままの自分で勝負するというのは、ある意味、とても難しいことです。

 

大切なのは、そのギャップを日々、埋めていく努力をすること。

本物に近づく努力を怠ってはいけないということ。

 

一方で、影響力のトリガーを学ぶことも、適切な情報発信を行い、健全な消費行動をする上では大切なことかもしれません。

そんなことを思ったのでした。

 

PS.

こちらの本はそんな影響力について書かれた本。

おすすめです。

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ
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