ビジネス, 思うこと

フリーランスの「自由」の実態

Freelance free
最近どういう訳か、教育関係や起業関係のイベント等で僕の仕事観についてお話しする機会をいくつか頂き、仕事について見つめ直すタイミングがあったりしました。

個人的にも周りの方から「会社を辞めて独立したい」と相談されることがなぜか稀にあります。僕の同期周辺は年齢的に新卒3年か4年目くらいだと思うので、そんな時期なのかもしれません。

「フリーランス」という響き、なんだか意識高そうでかっこいいですよね。自由(free)の槍(lance)ですからね。しかしながら、「会社を辞めてフリーになりたい」という人、特に「特にやりたいことはないのだけど、会社が嫌だから辞める」人は「フリーランス=自由人」的な明るい幻想を抱きがちに思えるのです。

びっくりしちゃうのですが、収入の目処もやりたいことも定まっていないまま飛び出して「こんなはずじゃなかった」と言ってる人が稀にいます。

無責任な誰かに煽られて見切り発車する前に、今日はあえてフリーランスの「自由」の裏側をお話しようと思います。

「時間に拘束されない」わけでもない。

仕事がない日は、何時に起きようが、どこへ行こうが「自由」なのがフリーランス。

僕の場合は出演時間と打ち合わせ以外、特に拘束されることはありません。

やることはたくさんあるのですが、自分で調整できます。

平日の昼下がりに河原でBBQしたり、人混みが空いている時にショッピングをしたり、繁忙期を避けて海外旅行にいくこともできます。

…と、これだけ伝えると誤解されるかもしれません。

というのも、あくまで僕の場合ですが、フリーランスにはそもそも休みという概念があまり存在しません。

土曜日、日曜日、GW、年末でも当然のようにメールや電話が舞い込んできます。(僕の仕事柄、極端です。)

ある程度は区切りは付けてはいますが、重要な連絡があった場合は対応せねばなりません。

明け方まで、仕事の対応に追われることもあります。基本的には24時間365日体制です。

もちろん残業代など発生しませんし、その結果、成果が生まれなければ報酬はゼロです。

海外旅行の航空券をキャンセルしたこともありますし、道端で携帯片手にパソコンを開いたこともあります。

友人との休日も合わないことも多いです。時間の使い方が下手だと言われてしまえばそれまでですが。

どこで何をしていても自由なのは事実ですが、「仕事のことはすべて忘れてリフレッシュ!」というわけにもいきません。

 

暇ほど怖いものはない 。

自由であることと、暇であることは違います…笑。

忙しくて泣きそうなるというタイミングに最近になって遭遇するようになりましたが、これは嬉し涙です。

悲惨なのは、24時間体制なのに何もすることがないことです。

何もすることがない日が連日続くと、まともな神経の持ち主なら不安になります。

忙しすぎてストレス抱えるのも問題ですが、暇すぎるのは生活の危機です。

とはいえ、することがないならないで動こうと思えばいくらでも動けますから、その辺りを自分で考えて動けない人には辛い道かもしれません。

 

人間関係から解き放たれるわけでもない。

よく人間関係が原因で会社を辞めるという人がいます。

しかし、フリーランスといっても仕事が自分1人で完結するわけではありません。

どのようなビジネスでも、人間関係から完全に自由になるのは難しいかと思います。

フリーランスのビジネス上の人間関係は、おそらく会社内での人間関係よりシビアです。

僕の友人で最近フリーになって忙しくしている方がいるのですが、彼がこんなことを言っていました。

「会社内だととりあえず上司に頭を下げておいたらよかったけど、フリーになってクライアントが増えてくると、その数だけ頭を下げる回数が増えた」と。

自分がビジネスの川下にいる場合は、どうしても頭を下げたり、気を使うシーンは出てきます。

僕も今でこそ、素敵なクライアント様に囲まれて、ストレスなくお仕事させて頂いておりますが、当初は高圧的な対応をされることも正直、ありました。無茶な要求や値下げ交渉に振り回されたり…笑。

思うに、会社同士の取引だとそこまでのことはないのだろうと思います。「会社の看板が外れると、いきなり対応が変わった」という話もよく聞く話です。

まあ、逆に考えるとその程度のものですし、気の合わない人と毎日顔を合わせる必要もないので気楽ではありますが。

嫌なら断るということができるのもフリーランスですが、相応のポジションに立っていなければ、それはそれで勇気のいることです。

 

全部自分でしないとダメ。

組織では役割分担をして、効率を上げます。フリーランスの場合、基本的にはすべて自分で行う必要があります。

好きなことだけをして生きることを自由だと考えるなら、これまたそれ相応のポジションが必要です。僕もいまでこそ、マネージャーやパートナーがあれこれしてくれて助かることも多いですが、とはいえやはり、顧客対応もマーケティングも広報や営業も経理も、ある程度は自分でできるようになる必要があります。

これも逆にいうと、知識やスキルが身につくということにもなります。僕が身についているかは別として…笑。

 

後ろ盾がない。

例えば、報酬の未払いがあったりした場合、そのままにしていればそのままです。

自分でしかるべき対応をせねばなりません。誰も守ってくれません。

僕も昔、「振り込まれるべきものが振り込まれていない」という絶望感を味わいました。

自分で法的な処置を行いました。辛かったです。

自分の自由は自分で守らねばなりません。

 

どこまで行っても、不安は不安。

当然のことですが、フリーランスは結局、成果を上げなければ報酬はゼロです。今は調子が良くても、来年どうなるかなんて分かりません。

会社のように年功序列で給料は上がりません。若ければ勢いでなんとかなることもあるかもしれませんが、40代、50代となった時のこともなんとなく考えておかねばなりません。

「老後は退職金で〜…」などという会社勤めの人が思い描く人生設計は築けないのですから、余計にその辺りはシビアに考えておかねばならないと思うのです。

ただ、来年どうなるかわからないというリスクは会社で働いていても健在なのですが、一匹狼だと他人事ではない感が強いです。

 

ネガティブなことを並べてしまいましたが、物事には陰と陽があるということは忘れてはいけないなと思うのです。

上手くいっている人しか発信しませんし、成功本は山ほどありますが、失敗本って見かけませんよね。

僕に相談してくれた人にこのようなことをお話しすると躊躇する方が多いのです。

その程度で迷いが生まれるくらいの覚悟なら止めておいた方が賢明かと思います。

ざっくりまとめますと、どこかでよく聞く「自己責任の上に成り立つ自由」というやつかもしれません。

自分の人生を自分でコントロールする覚悟とその責任の報酬として「自由」があるのかもしれません。

 

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