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あなたも変わらなければ、ブラック企業はなくならない。|ブラック企業の原因と対策

Black

最近、何かと話題に上がる「ブラック企業」。

常識を超えた長時間労働等々で、深刻な社会問題となっています。

問題の要因は様々なのだと思いますが、ネットやメディアでの報道を見ていると「企業側の体制、経営者の姿勢だけ」に批判が集まっているように思えます。

それはその通りの部分も多いと思うのですが、少し視野を広げて問題を眺めてみると、また少し違った側面が見えるではないかと思います。

今日はそんなお話を。

ブラック企業根絶を叫ぶなら、あなた”も”変わらなければいけない。

どのような企業にも顧客が存在し、先を辿ると一般消費者が存在します。

「過剰なサービスを求める社会があるから、それに応える企業が存在する」と考えると、ブラック企業問題の原因の1つは「エンドユーザー = 一般の消費者」なのではないかと思ったりするのです。

だとすると、原因を「企業側の体制、経営者の姿勢だけ」に求めるのは無理があると思うのです。

 

私たちは、ある意味「長時間労働、低賃金の恩恵を受けて生活している」という視点も必要であって、誰もが満足する勤務条件を全ての企業が一斉に整えると、おそらく社会は不便になります。

もしかすると、24時間営業のコンビニやレストラン、土日に使える便利なサービス、異常な早さで届く運送宅配屋さんも姿を消してしまうかもしれません。

ネットで商品を注文しても到着が一週間後になるかもしれません。

あらゆる仕事の納期が今よりも大幅に遅れるかもしれません。

ブラック企業はやっていけなくなり、そこに勤めている人は路頭に迷うかもしれません。

 

ある意味、ブラック企業が存在することでバランスがとれているがこの国の現状です。

それはつまり、この国の社会構造が歪んでいるということが根本的な原因なのですが、そんなこと言ってもすぐには景気も良くなりませんし、格差の問題もなくなりません。

私たちは今よりも「もっと安くて、早くて、面白くて、便利なもの」を常々必要としているからこそ、それに応える企業が存在しています。

そう考えると「私たちがブラック企業を作っている」とも言えるかもしれません。

 

今の現状で「ブラック企業”だけ”が悪者だから、改善せよ」と叫ぶ方々は、その結果、社会が不便になることも理解し、今、便利だと思っているサービスが根こそぎ無くなっても、不平不満を言わないという覚悟が必要だと思います。

もちろん、個別の企業への対策は無駄ではないと思います。明らかに不毛な作業や時間を効率化するのは経営者の役目です。

とはいえ、これも長期的に社会全体を眺めた場合、大きな解決にはならないと思っています。

その企業はその体制だからこそ、経営を維持できていた訳であって、経営者が抜本的な改革を行わない限り、遅かれ早かれ、仕事量を減らした分は社員を切っていくという流れになっていきます。

そうすると、その社員はまた、どこかに勤める必要があります。

もちろん、転職することで好転することもあるでしょう。

しかし、一定の割合で「その先には、またブラック企業…」という負のスパイラルが発生します。

単純に考えると、その企業が減らした仕事は当然、他の企業に流れる訳で、仕事の総量が変わらない限り、問題は解決しません。

 

そう考えると、今の社会構造のまま、ブラック企業を根絶するのであれば、「消費者としてのあなた」も変わらなければいけないという話に帰結します。

しかし、それは残念ながら当面は無理な話だろうと思います。

豊かで発展した社会で、それなりの恩恵を受けている中で、皆が我慢して「少し不便でも、皆が豊かな社会を作ろう」なんて、現実には誰も思いません。

 

「嫌ならやめればいい」は無責任だけど、一理ある

消費者が一斉に意識を変えるのが難しいのであればどうすべきかという話になります。

もし、あなたがブラック企業に何かしら不満を持っているのであれば「労働者としてのあなた」が変わらなければならないとも思います。

この手の話をすると「嫌なら辞めちまえ。甘えんな。」という声を耳にします。

ありきたりなお話で恐縮ですが、無責任な意見だと思う一方で、それは一理あると思うのです。

 

この国には憲法で職業選択の自由の権利があると定められています。

ブラック企業に勤めて、不平不満をこぼす方々は何も強制労働させられているわけではなく、自らその道を選んでいます。

嫌なら辞めて、新しい人生を模索するのも自由ですし、今の人生を維持するのも自由です。

 

職業を「選択する」という点で、個人的に思うのは、「ミスマッチ」が大きいのではないかと思います。

職場や職業に肌が合う、合わないは当たり前に存在すると思います。ブラック企業というのも考え方ひとつであって、四六時中働いていても苦にならないほどにその仕事を愛している人にとっては、ブラック企業にはなりえません。

誰もその道に踏み込むまで、ミスマッチかどうかなど分からないのだから、ダメだったら選択し直すのも、これまた自由な選択の1つだと思います。

 

また、極論を言うと、働き手がいるから、ブラック企業が存在できる訳であって、皆が辞めれば無くなります。

しかし、これも現実的ではありません。

違法労働だなんだのと言ったところで、それでもやはり、働き手がいるから存在し続けているのだと思います。

 

いつかの総理大臣が言っていましたが、結局のところ、自己責任の世の中です。

「会社が、政府が、国が…」と言っても、何も変わらないのが残酷な現実です。

日本は資本主義である以上、「生まれた瞬間に強制的にレースに参加させられる競争/格差社会である」ということを認める必要があります。

どれだけ綺麗事を言っても、私たちはその残酷な世界の中で、順位を争わねばなりません。

 

僕の感覚でしかありませんが、ブラック企業なんて言葉が定着したのは最近のことのように思えます。

それほどに一昔に比べて、格差が広がっていて、それはつまり、競争が激化しているということを意味するのかもしれません。

今後、海外からの働き手が増えたりすると、ますます厳しくなってくることが予想されます。

高度成長期のように「それなりにしていれば、それなりに幸せな生活を歩める」という時代はもう、終わってしまったのかもしれません。

 

もちろん、ブラック企業を無くすという点で、企業や経営者が労働者の声に耳を傾け、姿勢を見直したり、国が政策を行っていくことも大切なことだと思います。

それに加えて、社会に歪みが表面化してきていているということを自覚し、残酷な社会競争の中で、いかに幸せに生きていくかを各々が考えること、つまり「あなたも変わること」で、少なくてもあなたの前からは、ブラック企業は姿を消すのかもしれません。

その気になれば、選択肢はたくさんあると、僕は思っています。

 

ちなみに僕は実際、相談されても「嫌なら辞めちまえ」とは言いません。

あとで憎まれたりしても嫌だし、責任とる気もないので。

結局、決めるのは自分です。

 

そんなお話でした。おしまい。

 

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