おすすめのモノコト, 書評・読書

今年、愛読書になった本・ベスト|2017年


今年読んで良かった本まとめです。
当たりが多かった年でした。
あなたの読書ライフの参考に。

「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義

 

「デザインなんて関係ないよ」という方にこそ読んで欲しい本です。

今年はデザインについて考える時間が多い年でした。特に日本製トランプの制作プロジェクトではデザイナーさんと何度も何度もやりとりを繰り返しました。自分が指揮をとって一つのプロジェクトを立ち上げて、ローンチするのは初めての経験で、ここだけの話、決してスムーズとはいえない箇所もありました。実践を通しての学びは大きいものでした。

そんな中で、この本を読んでデザインへの考え方が一気に変わりました。デザインというと、美大を卒業した人や、発想豊かなクリエイターの仕事で、イラストやグラフィックが上手に表現できたり、絵が上手いことが重要だと思っていましたが、本質はそこではありません。

「どうすれば広まるデザインがつくれるのか、まさに売れるデザインはどのように作れるのか」という視点も大切だという内容です。そしてそこには理論と法則があり、そこに触れておくことで適切な意思決定ができるようになります。その手法を具体的に、わかりやすく説明してくれています

デザイナーの意見は最優先しつつも、良いものを良いと判断する力はトップには必要です。そしてこれからの時代はクリエイティブな目線=ブランディングデザイン思考がどのような職業にも必要だと感じました。

**おかげさまでトランプ開発プロジェクトは驚くほど多くの方にご予約頂きました。

 

クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST

 

多くのクリエイターの方からおすすめして頂いた本。アーティストのように盗めというタイトルですが、上の本をより具体的な視点で書かれています。思考プロセスはどのようなものにも応用できるものです。マジシャンとしても、どのようにアイデアを構築していけばよいかの新しい視点が得られました。

 

まんがで身につく 孫子の兵法

 

誰もが聞いたことぐらいはあるでしょう。古代から受け継がれる兵法理論「孫子の兵法」です。恥ずかしながら、一度も目に通したことがありませんでした。孫子の兵法は非常にシンプルです。それゆえに普遍性が高く、いつの時代でも応用できるものです。オリジナルは兵法書ですが、もちろん、それは現代のマーケットにおける競争にでも大いに有益な視点を得られます。

私のような小さな個人が、マーケットを相手にどのように戦略を立てればよいのか、具体的なアイデアが湧く一冊です。いくつか実行に移しましたが、企業秘密です。

孫子の兵法の解説書は難解な文献が多いなかで、この本は漫画なので、概要をすっと頭に入れることができます。注釈も充実しています。

 

終身旅行者PT

 

PTとはPermanent Traveler(パーマネント・トラベラー)あるいは、Perpetual Traveler(パーペチュアル・トラベラー)と呼ばれ、どちらも永遠のトラベラーの意味です。彼らはハイパーノマドとも呼ばれています。国家に依存せず、ボーダーフリーで豊かに生きている方たちです。

日本は人口の観点からみると大変、鬼気迫った状況で、誤解を恐れずに言うと「沈みゆく船」という認識を持っています。そんな中で、私の周りにも国家へのリスク分散を行いながら生きている人が数人います。

ある会社を経営する彼は、日本を拠点としながら、中東とアジアのある国に住まいを持ち、それぞれの国でコミュニティを構築し、ビジネスを展開させています。それらは国家のリスク分散を行うとともに、租税回避と意味合いもあります。非常に合理的だと感じました。そんな彼からおすすめしてもらった本です。

大変興味深く読むことができました。周りを見ていると、新しい時代の転換期を迎えているように思います。

 

天才たちの日課

 

くすっと笑えるエッセイです。数々の歴史上の偉人、クリエイターの奇天烈なエピソードが豊富につづられています。そのどれもが常軌を逸しています。一節をご紹介しておきましょう。

[引用]動物が好きでとくに猫とカタツムリには特別に強い愛着を示し、家で飼って繁殖させていた。-中略-あるとき魚市場で二匹のカタツムリが奇妙な形でからみあっているのを目撃したのがきっかけだ(のちにラジオのインタビューで「カタツムリをみるとなぜか落ち着くの」と話している)-中略-その後フランスに引っ越すときは生きたカタツムリの持ち込みが禁止されていたため、六匹か十匹のカタツムリを左右の乳房の下に隠して何度も国境を往復したという…(パトリシア・ハイスミス 作家)

このような狂ったエピソードがたくさん紹介されています。他にもヘミングウェイやダリなどの誰もがしっているアーティストが紹介されています。私もどうやらまともなようです。

 

ウォーレン・バフェット 成功の名語録

 

バフェットといえば、世界で最も有名な投資家の一人。投資の世界では神様と呼ばれているひとです。私もいくつかの形で資産運用を行っています。とはいえ初心者に毛がはえたようなもので、何度か痛い目にもあっています。実践したからこそ、氏の言葉は大変響くものが多く感じました。投資の哲学は人生の哲学でもあります。いくつかご紹介しておきます。

・来週抽選が行われる宝くじと、少しずつ金持ちになるチャンス。人はたぶん、前者の方に可能性を感じてしまうのでしょう。

・成功は、飛び越えられるであろう30㎝のハードルを探すことに精をかけたからであり、2mのハードルをクリアできる能力があったということではないのです。

・ビジネスの世界で最も危険な言葉は、5つの言葉で表現できます。「他の誰もがやっている(Everybody else is doing it)」です。

・他人が貪欲になっているときは恐る恐る、周りが怖がっている時は貪欲に。

 

ホモ・サピエンス全史

 

人類の歴史を古代から、現代まで振り返りながら、重要なターニングポイントを探るベストセラー本です。人類はなぜ他の種を圧倒する存在になったのか、なぜここまで広く生息地を分布させることができたのか、そして人はなぜ争い、殺しあうのか。人類はどこに向かうのか。

壮大なテーマで繰り広げられる歴史本です。難解な言葉は使われておらず、大変読みやすい本です。

 

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

 

なぜ人は「無料」という言葉に反応してしまうのか。後から考えると馬鹿馬鹿しい買い物をしてしまうのか。失う恐怖と得れない恐怖、どちらが強いのか。人は合理的な選択をしているようで、驚くほど不合理な選択をしてしまっています。この本は実生活でどのように頭を働かせれば、選択のバグを減らせるのかということが行動経済学の視点から述べられています。商売をされている方はもちろん、消費者として弱い立場にならないためにも、一見の価値があります。

行動経済学に火をつけたベストセラーです。類書にファスト&スローという本もあります。どちらもおすすめ。

 

シックスマサナ

 

キンドルアンリミテッドではまってしまった愉快でぶっ飛んだエッセイ雑誌。ちょっとブラックなユーモア(というか実話)がきつすぎるかもしれませんが、私は好きです。

 

檀流クッキング

 

テンポの良い、レシピ(?)本。世界の様々な土地の料理が描かれていますが、不思議と愉快な気持ちになるレシピ本です。淡々とレシピが紹介されるだけではない、プロセスや人となり、思想が垣間見え、語り口が魅力的で虜になります。レシピ本なのに調味料の量なんかは掲載されておらず、非常にアバウト。でも「料理とはこういうものだぜ」というメッセージが伝わってきて、料理を作りたくなる一冊です。かなり古い本なのですが、人の味覚や文章の良し悪しは、普遍的なのだなと思いました。

 

問題解決大全

 

ここの乗っている37の技法はあなたの人生のキリフダになります。長い人生、いや1日の中で、私たちはいくつもの問題を抱えて生きています。細かい問題かもしれませんし、大きな問題かもしれません。

そんな時に、自分の知恵だけで解決するのはあまり賢くありません。過去の天才たちや、あなたと同じ経験をした先人の知恵を借りましょう。この本には多くの人の悩みや問題に役立つ37の技法が紹介されています。

例えば、リフレーミングという考え方があります。催眠術の世界でも用いられる技法です。問題を違う角度から捉えてみるということです。例えば、私は時に臆病なところがあります。しかし、見方をかえるとそれは慎重であるとも捉えられるかもしれません。抱えている問題は、角度を変えると問題ではなく、チャンスにすらなりえるということです。リフレーミングをどのようにあなたの問題に生かすのかは本書を呼んだらわかるはず。

このような37の「思考のキリフダ」がわかりやすい例とともに、掲載されています。

一読の価値があります。

 

いかがでしたか。

2018年も良い本に出会えますように。