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フリーランスは「当たり前のことを当たり前にするだけで生き残る」という話。

こんなツイートをしたら反響頂きました。

要はそういうことなのですが、もう少し行間を埋めてみようと思います。

私は無謀にも新卒でフリーランスになったので、周りにはフリーランスの方が多く、日頃から接する人は業種は違えど、ほぼ自由業の方々です。

もう5、6年(え、まだ5年か)ほどフリーランスとしてゲリラ戦をおくっていると、周りで消滅寸前な人がちらほら現れてきました。

消滅するというか「フリーランスになる!」と口走り、なんとなくダラダラして、スタートラインにすら立てずに音信不通になる人もいます。

彼らにはそれなりに優秀で能力もあるのですが、ある共通点があるように思えます。

それは「最低限の当たり前のことが当たり前にできない」というものです。

いや、私も自分がずば抜けて優秀だとか、能力があるとかそんな自覚はなく、むしろ人間的にはクズな方だと思うのですが、そんな私がみても、なんかズレてるって思ってしまう。

別に偉そうに言える立場でもないのですけど、具体的にはこんな感じです。

 

  • 納期を守らない
  • レスポンスが遅い
  • 時間を守らない
  • 報告をしない
  • 分からないことを聞かない
  • 計画がまるでない
  • 価格の交渉ができない
  • なぜかお金に執着がない
  • 名刺がない
  • ホームページがない
  • 資料が雑
  • お礼を言わない
  • 請求書の書き方がわからない
  • 最低限の税や財務の知識がない
  • それらを勉強しようともしていない
  • 目を見て喋れない

 

「やばいな」って思いますか。

でも、これらを抑えているだけで技術や能力が平均的であれば上位40%に入れるってのが肌感覚としてあります。大成功とまでは言わないまでも、文化的な生活を維持して喰ってはいける。(もちろん、能力ありきの話ですよ、決してイージーだとは言いません。)

フリーランスって「なんだかキラキラしていて、好きなことだけをして、自由きままに楽して稼ぐぜ!」ってイメージが横行しているのか、どこか怠惰で、基本的なことがないがしろになっているって印象の人がチラホラいて、彼らはたぶんダメになります。

いくつか具体的に掘り下げてみます。

 

納期を守らない、レスポンスが遅い、報告をしない

私はフリーランスの方にデザイン等の発注を行うことが多いのですが、正直、成果物の質以前に「先方との打ち合わせに遅れずにきて、頼むから納期を守って欲しい」と思うことが多いのです。

トリッキーなフレームや、カタカナ言葉連続のなんだかよくわからないことや立派な経歴のアピールはいいから、「できる」といったことはとりあえず形にして完遂してほしい。

ほんと、願いはそれだけです。

納期に間に合わないなら、間に合わないなりに、それを報告して欲しいのです。前日になって「すいません。間に合いません。できる限り頑張るっす」っていわれるとさすがに「おい」ってなります。

何度かそのようなことがあったのですが、そうなったらもうその人にはお仕事を頼みたくなくなってしまいます。

どれだけ素晴らしい技術があってもです。それほど重要なことです。

こちらはこちらで納期は守れない前提でスケジュールを組んで、逐一状況確認をしたり、管理をしたりして対策をとっているのですが、必要以上に気をかけるのは手間ですし、各方面への信頼関係で仕事は成り立っているので「ちゃんとしている」ってことがとーっても大切です。

私なんかがそう思うのですから、コンプライアンスやらなんやらがキチッとしてるまともな企業から仕事を受注する場合、これらは大前提で話が進みます。

私たちフリーランスは企業の看板やブランドがないので、企業にお勤めの方々よりちゃんとしていないとダメなんです。

…昔、怒られたことをそのまま書いてますけど。

小さな「当たり前」の積み重ねが信頼となり、次のお仕事に繋がっていくというのは、過去の自分の怠惰さから次に繋がらなくて失敗した経験も含めて、そう思います。

 

価格交渉ができない、お金に執着がない

当たり前のことなのですが、フリーランスは個人事業主で、自分で商売をするってことなので、利益を出さないと明日生きるのに必要な現金が手に入りません。

そんな中でどういうわけか「大切なことはお金じゃない」「やりがい、生きがい!」ってスタンスの人がいます。

いや、わかります。わかりますけど、それって「ゲリラ戦真っ只中のジャングルに丸腰ではいって、平和こそが大切です!」って言っているのと同じです。

そうすると「1円でも安くこき使いたい」と考えている人たちに甘い考えを見抜かれ、適当な甘い言葉で丸め込まれて、相場も調べていないため、オーバーワークな仕事を請け負ってしまったり、ときには無料で仕事を受注し続けてしまう。結果、責任感もない中で大した経験も実績もつめず、気づいたら貯蓄がゼロになってしまう。

いや、もちろん最初は辛酸を舐める必要もあるのですけど、それも含めて狙いを定めて計画的に行う必要があるのです。

お金は大切じゃないって言っていいのは、安定してキャッシュフローがある人や相応の資産を持っているひとだけです。

フリーランスは高い理想や綺麗事よりも何よりもまず、安定するまで「持続的に現金が入ることに意識を向けること」こそが大切です。稼げるときにバーンって稼いどかないと、私たちって20年後とか来週とかどうなるかわかりませんから。

他は、言うまでもないことです。あ、資料が雑ってところでいうと、昔、汚い手書きのノートの落書きみたいなのを写メで送ってきた方がいました。すっげえな。

技術や能力、戦略やマーケティングスキルはもちろん大切です。

でも、案外、そんな高度な話の前に、「当たり前のことを当たり前にする」ってことの方がわたしたちフリーランスが生存するには、ずっとずっと大切なことだと思います。

そんなお話でした。なにか感じるものがあった人は、この本がおすすめだよ。まじで基本だけど大切なことですよね。