ライフハック, ビジネス
ご縁と仕事を生んだ「5通の手紙」の話
私がマジシャンとして活動して間もない頃の話です。
これから独立を考えていたり、「もっと仕事があればいいのに」とお悩みのフリーランスの方へのちょっとしたTIPSをお伝えします。
「文章は時に、黄金の羽になる」ということを、実体験を例にお話します。
当時、学生だった私は大阪北新地のバーで夜な夜な、マジックを披露していました。
そんな中で、お店のお客様から「今度、うちの会社のパーティでマジックをしてよ」といった、いわゆる「営業」の仕事をちょくちょく頂くようになっていました。
当時、学生でアルバイトマジシャンだった私にとって、この「営業」というスタイルはとても魅力的でした。
普段立ち入ることのない優雅できらびやかな空間、そしてそこで出会う方々。知らない世界を垣間見ているような、新鮮で好奇心がくすぐられるものだったからです。それは今も変わりません。
私はこの「営業」の仕事を、もっと経験したいと思うようになりました。しかし、マジシャンの仕事というのは日常のプラスアルファのもの。待っていても、そんなにコロコロ話が来るものではありません。
「営業」の仕事をとるためには営業が必要でした。とはいえ、電話をかけまくるような手法はピンときません。
私がとった行動は、とてもシンプルなものでした。
それは「手書きの手紙」です。
当時、お店でマジックをする際、お客様から名刺を頂くことがありました。レストランやクラブのオーナーさんや経営者の方など、数十枚の名刺が手元にあったのです。
今考えると短絡的ですが、当時の私は「これだ」と思いました。その中から5枚の名刺を選び、びっしりと便箋に手書きで言葉を綴りました。
内容を要約すると、このようなものでした。
恐る恐る手紙をポストに入れた数日後のある日、電話がなりました。
私が手紙をおくった京都祇園のお店の方からでした。立て続けに電話がなり、計3件のお仕事を頂くことができました。そんなアホなと思いました。「無視されて当然だ」くらいに思っていたからです。
さらに、そのお仕事でマジックをご覧になった方々からも、同様のお仕事を頂くことができました。さらにその先でも。
積み重なった利益は数十万にもなったと思います。たった5通の手紙で、です。ちなみに今もそのご縁は続いています。
私は当時から、「文章」が持つ力に関心がありました。言葉は人の心や行動に影響を与えることができると感じていたからです。あなたもテレビのCMや日々届くDMやチラシををきっかけに、モノを買ったことがあることが一度はあると思います。それって全部、文章-言葉の力-ですよね。
言葉が相棒なマジックにも活きる部分があると思い、「文章の書き方」的な本を読み漁っていました。そのちょっとしたエッセンスや知識を手紙に乗せたみたのです。
それらが効果的に働いた面もあるとは思いますが、今になって考えてみると、「手書き」であったことも大きかったのではないかと思います。今の時代、手書きの手紙を受け取ることは滅多にありません。少なくとも大量にポストに届くDMよりは捨てにくいし、印象に残ります。
(ちなみにこれ、とあるDM会社も実施している一つのワザでもあります。封筒に切手を貼って、個人に向けたものと認知させると開封率が上がるそうです。経費かかりますけど。)
何より、それだけ文章に熱がこもっていたのかもしれません。そういうのって不思議なもので、伝わりますからね。
デジタル時代だからこそ、アナログな飛び道具は効果的に働く時があるというお話でした。
最後に、こんな有名な逸話をご紹介しておきます。
恋文を送りあっていた昔も、SNSで発信する現代も、最後に想いを伝えるものは言葉です。言葉は時に武器になり、黄金の羽にもなります。意識してみると新しい発見があるかもしれません。
下に文章、つまりコピーライティングの面白さを感じられる書籍をご紹介しておきます。気になった方は、手にとってみてください。
(…といって、もし興味を持って頂いたようであれば、それが言葉の力というやつかもしれません。なんちゃって。)
言葉で伝える楽しさを実感できる本です。
最近の心の栄養剤。ぐっとくるイメージコピーがセレクトされています。
こちらは、いわゆる広告/セールスコピーの本。名著です。