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ねえ、それは魔法なの?
僕は小児科病棟を回りマジックをするという活動をしています。
もう長い間入院している男の子にマジックをみせてあげた時の話です。その男の子は、マジックを生で観たのは初めてだったのでしょう、僕に目を丸くしてこう言いました。「ねえ、それは魔法なの?病気もなおせる?」と。
もちろん、僕はマジシャンであり、魔法使いじゃありません。答えに迷ったのですが、「マジック、手品」というものの存在を教えてあげて、簡単なマジックを教えてあげることにしました。
それから数カ月後、マジックショーを開いたとき、無事に退院したその時の男の子が母親と一緒に観にきてくれました。男の子の手には1組のトランプが握られていました。僕がマジックを教えてから、男の子はマジックが大好きになり、ご両親にマジックセットを買ってもらったそうです。男の子は覚えたマジックを他の患者さんに見せて、病室を笑顔にしていたそうです。
なんだかとても、幸せな気分になりました。
近代奇術の師、ロベール・ウーダン師は、
"A magician is an actor playing the role of a magician"(マジシャンは魔法使いを演じる役者である)
という言葉を残しました。もし、マジシャンが一つだけ、本物の魔法が使えるとしたら、それは誰かを笑顔にするということかもしれませんね。