ビジネス
お客様は神様ではないので、選ぶ権利もお忘れなく。
「付き合いたくないお客は、きっぱりお断りした方がいい。」
親しくして頂いてる社長さんにそんなことを言われました。
独立して間もないころ、僕は「お客様は神様だ」的なところがありました。仕事があるだけありがたいと思っていたものですから、お客様からの要望は可能な限り呑んでいました。
そんな僕ですから、「お客様をの要望を断るなど、言語道断!」と思っていました。
当時、話を聞いてもパッとこなかった部分もあったのですが、今ではなんとなく理解できるようになりました。
今日は、そんなお話。
仕事でストレスが溜まっていたことがあって、親しくしてもらっている社長さんに相談したときのことです。
「君のストレスは、一部のクレイジーなお客が原因だね。どんなお客なの?」
どんなお客だろう。
書き出してみるこんな感じです。
・発注の際に、クチャクチャガムを噛みながら「で、何できんの?(タメ口)」という態度のお客。
・トラブルが発生した際に、恐喝まがいな電話をしてくるお客。
・とにかく、安くしろというお客。
・働くだけ働かせて、お金を払わず、しまいには逆ギレするお客。
・仕事を振っているからと、接待を半強制させるお客
「そりゃ、ひどいね。そんなものは、わたしから言わせるとお客じゃないよ。なんで付き合ってんの?」
お客じゃない…。
「付き合いたくないお客とは取引をやめたらどう?お客様は神様じゃないんだから。自分の首締めるかもよ。」
えー…そんなこと言われても、仕事なくなるのは怖いです。
「最初は怖いですよ、そりゃ。でも長い目で見たら、その方がいいと思うよ。その一部の客を切ったところで、生活できなくなるわけじゃないでしょう?」
はあ…。
「だいたいね、わたしの経験上、そういうお客と長く取引できることはまず、ないよ。そういうお客に限って、時間もかかるし、神経も使う。」
…たしかにそうかも。
思い当たる節しかない。
「だからね、付き合いたくないお客様の基準を、なんとなくでいいから持っておいた方がいいよ。」
「そしたらね、今度は自分にとって大切なお客様が明確化されるのね。そこに情熱を注げばいい。これって大事だと思うよ。」
なるほど。
「でもね、君にも反省すべきところはあるのだと思うよ。お客様は自分の鏡だったりする。」
「例えばね、お客に対して『なんでも対応します!なんでも言ってください!』『料金も勉強させてください!』だとか、必要以上に遜った態度をとったりしてない?」
…。
「そうすると、ろくでもないお客しか来ないんですよ。お客への悪口っていうのは自分への悪口だったりするんだね。」
「不思議なことにね、お客を絞りこんだ方が、お客が増えたりするんだよ。なによりストレスが減る。」
「これはお客だけじゃなくて、社員やパートナーを選ぶときにも同じく、基準を持っているとミスを減らせるよ。」
ざっとこんな感じのお話でした。
ビジネスが小さい時はそんなことも言ってられない時もあるかもしれませんが、この時をきっかけに、お客様はお客様であって、神様ではなくなりました。
以前の話ですが、相手が色々とどうしようもなかったので(一時間待たされる、関係ない世間話を社員同士がしだす、いきなり値段さげろ交渉、その他諸々)、プレゼンを辞めて途中で帰ろうとしたら、「おい、てめえ!うちらは客だろう」とキレられました。
「〇〇で〇〇できるパートナーを一社、探しています。ご興味はございますか?もしご興味をお持ちいただけないようであれば、お時間を頂くのは恐縮ですので、失礼させて頂きます。」
「もっと話を聞きたい」
と言われました。
不思議なものでした。
電話口で無茶苦茶なことを言われたときはきっぱり、
「失礼ながらわたしのお客ではありません(もう少しオブラートに包んで)」
とガッチャと切ったこともあります。
しかしながら、
「勘違いしてはいけないことは、傲慢な態度をとってはいけないよ。あくまで謙虚な姿勢。フェアであることが大切だよ。
「フェアな関係性を築けないのであれば、きっぱりお断りした方がいい。長期的にはうまくいかないし、トラブルが発生したりするからね。」
「こちらがビジネスの川上にいるときも、「代わりなんていくらでもいるんだ!こっちは金を払ってるんだ」って態度だと、良いパートナーは見つからないものだよ。そんな態度をとられたら「お金をもらえるからとりあえず最低限はやろう」ってなるでしょ?良いものは生まれないよ。」
とも教えてくれました。
付き合いたくないお客様の基準値を持っておく。
フェアな関係を築けるようにする。
大切なことかもしれません。