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「プロ」がタダ(無償)で仕事を頼まれた時の”傾向と対策”

Profree

無償で仕事を頼まれる。

滅多にない話ですが、ある話ではあります。

 

僕の職業はマジシャンですが、他のクリエイターやフリーランサーの方も、

多かれすくなかれ、経験があることではないかと思います。

 

この話題に関する是非は定期的にネット上で盛り上がっていますが…

今回は経験則から、 僕なりの考えを書いておこうと思います。

アリか、ナシか

プロに無償で仕事を頼むのはアリか、ナシか。

最初に立場をはっきりさせておくと、基本的にはナシです。

 

ただし、報酬と同価値、いえ、それ以上の何かを提供してくれるのであれば、OKです。

そういう意味では条件付きのアリというポジションです。

 

ただ、この「報酬と同価値」かどうかの線引きは非常に難しいのです。

頼む側と頼まれる側の価値が必ずしも一致はしていないということです。

 

どうしてタダで頼むのはダメなの?

いくつか理由があります。

まず、唐突にプロに無報酬で仕事を頼むと、常識を疑われます。

 

あなたは知り合いの店に買い物に行って、

「今度なにかあげるから、これタダにしてよ!」

と言ったら、店員さんはどんな顔をするでしょうか。

 

相当に非常識ですね。

これは「プロに無報酬で仕事を頼む」という行為と基本的には同じです。

常識外れのレッテルを貼られ、人間関係が崩れることも十分にありえます。

 

また、プロのパフォーマーやクリエイターに、知り合いだからと、

「少しでいいからさ!」だとか「適当でいいからさ!」とか…

 

僕の場合で言うと、

「結婚式の二次会で、たった10分のマジックくらい良いじゃないか」

などと、無償で仕事を頼む方を稀に見かけます。

 

こういった方々は、サービス=モノと考えていて、

私たちの技術に、以下のような”目に見えないコスト”が発生しているということを理解していません。

 

  • 習得に要した時間
  • 行うまでの準備
  • 肉体的、精神的負荷
  • 拘束時間(その日時にオファーがあった場合は損失になる)

 

例えば、「結婚式の二次会のたった10分のマジック」を仮に引き受けたとして、

 

  • どのようなマジックがよいだろうかだとか…
  • 衣装はこの方がよいだろうかとか…
  • あれを練習しておこうだとか…

 

その他、諸々時間をかけるわけです。

「祝いの場だから、トランプはもちろん新品がよいな …」

場合によっては経費もかかります。

 

そして、当日はそのことで頭がいっぱいです。

会費を無料にして頂いたとしても、楽しむ余裕などありません。

 

「何もそこまで頼んでいないよ」と言われても、私たちはプロと紹介されてパフォーマンスする以上、

タダだろうが、何だろうが、目の前のお客様にとっては関係ないですから、手は抜けないのです。

 

そもそも、無報酬で仕事を受ける行為は、報酬を払っていただいている常識あるクライアントにも失礼です。

 

以上を考えると、ただ単にご都合主義で無報酬で仕事を頼むのは、

プロに対して、非常に失礼であり、侮辱的な、常識のかける行為である

…と僕は思います。

 

では、その上で、シーン別の傾向と対策を考えてみましょう。

 

友人や親しい人から

これはどの程度の親しさかによって話が変わってきます。

自分が気持ち良く、納得した気持ちであれば、受けて良いと思っています。

 

相当な親友や、いつもお世話になっている人から…であれば引き受けることもありますが、

僕の場合、そういった方々ほど良識深く、ご理解もある方ばかりですので、

無報酬での仕事は、滅多なことがない限りは、頂いたことがありません。

 

また、相手(プロ)が承諾したとしても、プロが自発的に申し出ていない場合は、内心は気が乗っていないと考えて頂いてよいと思います。

ある程度、親しいからこそ、断りにくい気持ちもありますし、周りの共通の知り合いの顔色も気になるかもしれません。

当然、出演料の交渉もしたくないのです。

 

あまり親しくない人から

あまり親しくない方から、無報酬の依頼があるとき、大抵の場合は”人脈”を報酬代わりに交渉していきます。

つまり「俺は君の顧客になるであろう人を結構知っているから、俺のときにはタダでマジックやってくれよな。」だとか、

「ここでマジックすると、君にとって都合のよい人と知り合えるから、ここではタダでやっておいてよ。」といった感じです。

 

僕の経験上ですが、この手の一方的に都合のよい話は、あまり、というかほとんど、実にはなりません。

大抵、都合よく利用されて終わりです。報酬以上のものを手に入れれる保証などないのです。

 

人脈を武器にする方は、自分には力がないことを宣言しています。

人脈を餌に駆け引きをするような方に信用があると思いますか。

「こんな人を知っているんだ!」と陰で言われている「こんな人 」は良い気持ちがするでしょうか。

ご縁というものは、そのようにして出来るものではないでしょう。

 

ただし、全てがそうとは言えません。

この判断は、経験則からの自分の直感を信じるしかありません。

個人的には、直感的に気が進まないのであれば、相手にも失礼になるので、受けるべきではないと思います。

 

ただし、以下は少し例外です。

  • 大きなプロモーションになる(メディアなど)
  • 大きな経歴となる

この辺りは自分のポジションから、検討すべきでしょう。

 

いかがでしたか。

 

生意気ながら、このようなことを述べましたが、

プロに仕事を頼む場合は、以上のことを踏まえて、ある程度慎重になる必要があると思っています。

また、同じ業態で仕事をされている、僕より若い世代の方に参考になれば幸いです。

 

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