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飛び火する”意識高い系”という言葉
「意識高い系」という言葉をご存知でしょうか。
割と最近生まれた日本語スラングだと思いますが、
僕はこの言葉、あまり好きではありません。
weblio辞書にはこのように解説されています。
「自分は世間から一目置かれている」とか「さらなる自分磨きに余念がない」といった雰囲気(意識の高さ)を言動の端々に匂わせているが、
実際には大した実績や人脈があるわけではなく(全力で実現に取り組んでいるわけでもなく)、単に「周りからデキる奴と見られたい」ための自己アピールに過ぎない、
といった傾向が顕著な者を揶揄した言い方。
…といった方々なのですが、最近はそんな人たちへの風当たりが非常にきついように思えます…笑。
彼らの具体的な特徴を挙げてみると、
- 自己アピールが大げさ
- 「人脈人脈」うるさい
- 無駄にカタカナ言葉を喋る
- 実績が伴なわないのになぜか上から目線
こんなところでしょうか。これは確かにイラッとしますね。
何かしらの結果を出しているのならともかく、言動だけであれば、
意識が高いというよりも、自己顕示欲や承認欲求が裏目に出ている
「タダの嫌な人」だと思います。
そんな人を「意識高い系」と呼ぶならば、そっと距離を置けばいいと思います…。
さて、それを踏まえてですが、
「意識高い系」という言葉には釈然としない点があります。
上に述べた通り、ちょっと面倒だったり、嫌な感じの人が意識高い系と揶揄されているのですが、
彼らへの嫌悪感が派生して、よくわからないところまで飛び火してる感じが僕にはします。
ネットを中心に声を拾ってみると、以下のような行動や言動も「意識高い系」と結びついているようです。
- スタバでMacbook
- 起業をほのめかす
- 海外への一人旅やボランティア活動をする
- ビジネス書や自己啓発本が好き
- 朝活とかランチ会とかする
- 人との交流が好き
- 自分磨きに余念がない
正直なところ、何がそこまで悪いのか、僕には全然ピンときません。どこにも叩く要素が見つからないように思えます。
たしかに、過剰なアピールは鬱陶しいです。
実績があろうがなかろうが、何だろうが、これは何事にもそうであって、度々になりますが、タダの嫌なやつです。
ただ、上にあげたような行動言動を垣間見ただけで、「あ、意識高い系w」と揶揄する態度には違和感を覚えます。
では、そんな「“意識高い系”を叩く系」の人たちについて考えてみます。
僕自身の話をすると、僕はアップル製品を使っているのですが、それを見て「意識が高いなw」と言われたことがあります。もはや全然意味が分からないのですが、揶揄する言葉だと知っていると気持ちのよいものではありません。
やんわり「何が?」と聞いてみたのですが、特に答えを持っていませんでした。
おそらく、ネットで見かけた”意識高い系言動”が目に入ると、自分の頭で考えることなく、
とりあえず見境なく「意識高い系」と言葉にしているのだと思います。
誰かがスタバでMacBook Airを開いていても、自分には特に害はないので放っておけばよいのですが、何となく笑い者にする対象を探しているだけのようにも思えます。
(もちろん、スタバで一杯の珈琲で何時間も長居するのは違います。それはマナーの問題です。)
理屈のない批判の裏側には、大抵はコンプレックスが隠れています。
心のどこかで「意識高い系」だと叩く彼らに、自分にはない何かを感じ、そこから生まれる妬みや羨みの感情を、便利な言葉に乗せているのではないかと思っています。
価値観や生き方、考え方が異なっている人とは、どうしても馬が合わない部分もでてきます。
そして、時に人は、無意識に異質な存在を排斥しようとします。
皆が進学しない高校で進学しようと勉強していると変な顔をされますし、自分を高めようと思っていない人が大勢いる場所で、自分磨き感を出しても同様です。
皆が皆、物事をフェアに噛み砕いて受け入れれる人だったらよいのですが、人間ですからそうもいきません。
それを意識が高いのなんのと批判するのはどうかと思いますが、そんな人たちとはやはり、そっと距離を置くのが平和な解決策かもしれません。
「意識が高い」と揶揄られ、嫌な気持ちをしないためには、大切なことは胸に閉まっておくこと、不用意にモノを語らないことが大切だと思っています。
自分の熱い想いや夢は、それらを共有する仲間と好きなだけ語り明かせばよいと思います。
それでもよく分からないことを、どうのこうの言ってくる人は放っておけばよいですし、何より、自分の人生を力強く歩んでいる人には、そんな戯言を聞く余裕などないはずです。
…ということで、少し話が逸れ気もしますが、いかがでしたか。
長々と「意識高い系」という言葉に釈然としない理由をお伝えしました。
あなたのご意見、感想もお待ちしております。
イラスト by Aya Shimada