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”バレない嘘”をつくために意識すべき3つのこと|マジシャンの嘘の技術
マジシャンが引き起こす非科学的な現象の裏側は、実は非常に合理的で、緻密な、秘密の方程式が広がっている。
そんなマジシャンの秘密を少しだけ、ご紹介。
マジックを初めて観客の前で演じた時、手が尋常じゃないくらい震えました。おそらく多くのマジシャンがそうだと思います。
それは単純な訓練不足もありますが、トリックを成立させるための「言葉と行動の矛盾」に脳が慣れてないからとも捉えることができます。人は嘘をつくとき、人前で話す緊張とはまた別の、ある種の生理的な緊張が発生し、身体に異常を起こします(手や足が震えたり、声が大きくなったり、汗をかいたり…etc)。
また、観客はトリックを見破っても、多くの場合、マジシャンがいるその場で指摘はしないし、騙されてくれる。つまり、本人には「嘘がばれた」ということが伝わらないことも多いんです。そんなことを考えると、当たり前ですが、完璧に嘘を付くのはとっても難しいですよね。
とは言っても、日常の中では、嘘を付いた方が良いと思うシーンもありますよね。「仕事上で上司や部下に嘘を付いたことがあるか」というアンケートでは半分以上の人がYESと答えています。
ではそういった場合、どうすればできる限りばれない嘘が付けるのか。
・矛盾をなくす
マジックの秘密の動作はできるかぎり矛盾がないよう計算されています。少しでも不自然ならば、観客は本能的に異変に気づき、トリックが見破られてしまうからです。 状況を分析し、ロジックが崩れていないか、矛盾が存在しないかを考えることが大切です。
・納得できるアウトを用意する。
マジシャンも人間なので、失敗をする。僕もよくする。笑 でも、マジシャンの失敗は観客には伝わらないことが多い。それは、トリックの結末を変更することができるから。 アウトというのは、逃げ道や言い訳のこと。相手の反応を予想し、アウトを用意しておくと対応できる(=嘘を通す)可能性をあげることができます。
・多くをしゃべらない。
「普通のトランプを使います。」って強調されると、そこに何かがあることを推測してしまいますよね。笑 よけいなことを喋ると、そこに矛盾を発生させる要因を作ってしまいます。
・誤解を招く、真実を語る←new!!
見破るのが最も難しいのは事実を適度に修正したものです。通称、盛ると言います。
本当のことを言っているのですが、口調や表現で相手に誤解を与えるような言い方は、上手な嘘ということができるでしょう。「ミスリード」という心理テクニックに近いものがあります。
・相手をよく知る←new!!
上手な嘘を付く為には、相手をよく知る必要があります。相手の物の見方や、性格、そして相手が何を知っていて、何を知らないか等の相手に関する情報は、巧妙な嘘を付く上では不可欠です。事前に調べておくか、会話の中で相手の情報を抜き出します。
ちなみに、事前に調べた情報を元に、相手の素性を良い当てることをHot Reading、即興で、会話、容姿、仕草から相手の情報を抜き取る技術をCold Readingと言ったりします。
こういった心理技術を使う占い師の方もいるそうですよ。
なんらかの身体的な異常が発生するのは上述した通りなので、少し違う視点で。
これは僕が大学(法学部)で「取り調べにおける自白」の研究をしていたときに学んだことですが、嘘をついている場合、第三者的な、情景を俯瞰しているような発言が多くなります。経験していないことを話しているので、細かな情景や自分のその時の感情についての発言ができません。
いかがでしたか?嘘も方便とはいいますが、ばれない嘘はないとも言います。
「あ、こうすれば嘘はばれないのか」なんて決して思わず、エイプリルフールの時に参考にするか、話のネタにでもして頂けたら幸いです。
マジシャンは決してエスパーでもなければ、生まれつき不思議な力も持っていません。長い歴史の中で、数々の偉大なマジシャンが創り上げた「秘密」を駆使して、魔法使いや超能力者を演じる者がマジシャン。本物の魔法に近づくために、マジシャン達は日々進化しています。