BLOG, マジックの話
「失敗」について
僕がマジシャンだと言うと、よくお客様に聞かれることがあります。
「やっぱり失敗ってあるものなんですか?」
というもの。
今日は僕にとっての「失敗」についてのお話。
今となっては滅多にありませんが、やはり、失敗はあります。
人間の手が加わっている以上、100パーセントの成功というモノはないと思っています。
もちろん、毎回失敗していては話になりませんし、リハーサルでは完璧(…と思っている)マジックをご提供しています。
それでも、現場では何が起こるか分かりません。想定外のこと、自分ではどうしようもない不可抗力による失敗もあります。
ただ、マジックは失敗が表面化しにくいという特性もあります。話術やテクニックを使って結論を変える=アウトを用意しているからです。
分かりやすく言うと、失敗を成功に変えることもできるのです。
しかし、ごく稀にもうどうしようもない、誰がどう見ても失敗だろう…ということだって起こりえます。
そんな時は素直に「失敗しました」と謝って、もう一度挑戦することにしています。笑
僕にとっての本当の失敗は、お客様との関係作り、空気作り、総じて「コミュニケーション」の失敗です。
マジック自体の失敗より、コミュニケーションの失敗の方がダメージは大きいと思っています。
相思相愛の恋人同士は、お互いの失敗に寛容ですし、カバーし合います。
一期一会とはいえ、僕もお客様との関係はそうあるべきだと思っています。
失敗を推奨するわけではもちろんありませんが、万が一マジックを失敗しても、コミュニケーションにおいて失敗がなかれば大抵の場合、お客様は寛容です。
失敗について述べていますが、逆に僕にとって「成功」とは何かと聞かれると、「愛して、愛されること」かもしれません。
矛盾しているようですが、マジックをミスなくこなせるというのは最低レベルで、最高の一期一会をご提供できれば、僕にとってこれほど幸せな瞬間はありません。
まだまだ課題は山積みです…笑。
スクリプト・マヌーヴァ
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