マジックの話
マジシャンに依頼する際の料金(ギャラ)の相場について
プロマジシャンの伊藤大輔です。
関西を中心に全国で活動しています。
この記事では…
「パーティやイベント、宴会等にマジシャンを呼びたいけど、料金はいくらくらいかかるのだろう?」
とお悩みの方に向けて、プロの視点でマジシャンの料金(費用やギャラ)の相場について、分かりやすくお伝えします。
また私はプロマジシャンとしてだけではなく、キャスティングやブッキング、イベントのコーディネートのお仕事もしておりますので、その辺りについてある程度の知識があると自負しております。
ぜひ、参考にしてみてください。
注: 以下によって料金は上下することがありますので、あくまで参考程度にお考えください。ただ、そこまで大きく外れることはないかと思います。
- 実施日時(12月は繁忙期です)
- 出演時間
- 出演内容(演目、オリジナルのマジックを考案するなど)
- 公演回数
- 依頼の方法(派遣事務所を通すと高くなります/下記参考)
A. 10%〜50%上乗せされます。場合によっては、〜70%になることもあります。平均的には20〜30%程度かと。例えば、10万のお仕事だと2万円〜3万円は調整手数料(マージン)となります。
参考リンク:マジシャン派遣サービスを利用するメリットとデメリット
マジックのジャンルと料金
さて、マジックと一言で言っても様々なジャンルがあります。
ジャンルによって料金が大きく変わるので、簡単にご説明しながら、料金や相場観についてお話ししていきます。
マジックには大きくわけて、2つのジャンルがあります。「テーブルマジック」と「ステージマジック」です。
細かい話をするとサロンマジックやイリュージョンなど諸々とあるのですが、ざっくり言うとこの2種類。
それでは、順に解説していきましょう。
テーブルマジック(ショー)
テーブルマジック(クロースアップマジック)は目と鼻の先で行われる「至近距離型」のマジックです。
トランプやコインなどの身近な道具をつかう、テレビでもおなじみのマジックですね。メンタルマジック(メンタリズム)も基本的にはこのジャンルです。
お客様からは「テレビみたい!」と喜んでいただくことも。なかなか目の前で本格的なマジックを見る機会はありませんから、まるでテレビのゲストになったような気持ちを味わえるのですね。
目の前で不思議なマジックをお楽しみ頂けるのはもちろんですが、「体験」して頂けるのもテーブルマジックのすばらしいところです。あなたの手の平の上で、不思議なことが起こります。
テーブルマジックショーの予算相場
- 若手プロマジシャン 5万円〜10万円
- 中堅プロマジシャン 10万円〜20万円
- メディア露出の多いマジシャン 30万円〜
- 学生マジシャンや駆け出し 交通費〜3万円
時間は20分〜30分が一般的です。
テーブルマジックショーの対象人数
マジックショーとしてテーブルマジックを楽しむのであれば、対象人数は10〜30人程度がベストです。
多くても50名程度までが限度です。
(こまかい話をすると、30名〜50名であれば「テーブルマジック」ではなく「サロンマジック」というジャンルになります。多くのテーブルマジックマジシャンはこの辺りまで対応できます。)
プロジェクターを利用して大人数で楽しむことも可能ですが、テーブルマジックの醍醐味は目の前で不思議を体験し、楽しむところなので魅力は半減してしまいます…。
テーブルマジックショーの適したシチュエーション
- ホームパーティ
- 忘年会等の余興
- 子ども会
- 小規模のバーやレストランなどイベント
- 各種ショップ等の販促イベント
- ブース形式のイベント
比較的小規模なイベントやパーティに適しています。
テーブルマジックショーを依頼する際に用意が必要なもの
- テーブル
- 観客用の椅子※
- 音響やマイク※
- 控え室※
※はマジシャンと相談してください。
基本的にはテーブル1つあれば実施可能です。
追記:「若手と中堅の違いは?」
A.単純に年齢が上になるにつれて、料金が上がっていく傾向にあります。また実績(テレビ出演やイベント出演実績、タイアップ企業etc)の違いでも料金は上下します。
テーブルホッピング/ウォークアラウンド
テーブルマジックには、「テーブルホッピングまたはウォークアラウンド」というスタイルもあります。
あまり馴染みのないスタイルだと思うので、ご説明しましょう。
「テーブルホッピング」とは、ホテルやレストラン、パーティ会場などで、各テーブルを回っていきながらパフォーマンスを行うスタイルのことです。
立食パーティなどで立ち回りながらパフォーマンスをすることもあります。
欧米ではレストランに専属のマジシャンがいて、各テーブルを回りながらマジックを行い顧客満足度の向上を図るという光景がよく見られます。
さて、「テーブルホップング/ウォークアラウンド」の優れている点は、各グループごとにマジックを楽しむことができるので、周りの目を気にせずに驚きを共有することができる点です。
家族や友人同士でわいわい言いながら楽しめるのは、このスタイルならではです。
また、「ステージやマイクなどの特別な用意をする必要がないため、比較的手軽に実施できる」という点もイベント主催者としてはメリットです。
誤解されがちですが、テーブルを用いずにパフォーマンスをすることも可能です。
ちなみに私はこのスタイルをもっとも得意としています。
テーブルホッピング/ウォークアラウンドの予算相場
上記のテーブルマジックショウと同額程度。
時間は30分〜60分が一般的です。
イベントによっては「一日中」なんてこともありました…笑。
このあたりはマジシャンと相談です。
テーブルホッピング/ウォークアラウンドの対象人数
30名〜100名、多くて150人程度がベストです。
ワングループ3分〜10分ほどでマジックを披露していきます。
※マジシャンの人数を増やすことで、対象人数を広げることも可能です。
テーブルホッピング/ウォークアラウンドの適したシチュエーション
- 結婚式の披露宴/二次会
- 各種パーティ(立食/着席問わず)
- 忘年会等の余興
- レストランやホテルのイベント
- 各種レセプションイベント
- 展示会や販促イベントetc
工夫次第でさまざまな場所にマッチするのも、テーブルホッピング/ウォークアラウンドスタイルの優れた点です。
テーブルホッピング/ウォークアラウンドを依頼する際に用意が必要なもの
- 控え室(応相談)
控え室といっても、テーブルマジックの場合は、着替えたり、道具を準備するくらいなので、そんなに大げさなものは必要ありません。やはり、「特別な用意」が必要ないというのは負担がなくて楽ですね。
テーブルマジックとステージマジックでは求められるスキルが大きく異なり、マジシャンによっても得意不得意が分かれます。トランプマジックやコインマジックと、ライオンや鳩を出すマジックでは用いる技術や道具が違うのですね。テーブルマジック、ステージマジックのどちらにも素晴らしい面があります。
ちなみに私はテーブルマジック専門のマジシャンです。最初はステージマジックも行なっていましたが、私の場合「お客様との距離が近いこと」「どのような空間にも合わせられる機動力の高さ」に魅力を感じたため、テーブルマジックに特化することを選びました。
ステージマジック
「ステージマジック」とは、文字どおり大勢の観客に向けて、ステージ上でマジックを行うスタイルです。
音楽に合わせて空の手からトランプを出したり、鳩を出したり、マイクを通してトークをしながらパフォーマンスをしたり、人体切断や空中浮遊など…といった「一般的なマジックショー」と言えばイメージしやすいでしょうか。
ステージマジックには、テーブルマジックにはない「迫力」があります。たくさんのお客様と会場一体となり盛り上がるには、もってこいのスタイルです。
演目によっては、観客をステージにあがってきてもらうようなシーンもあり、マジシャンのトーク次第では大変盛り上がるポイントです。
マジシャンによっては、メンタルマジック(メンタリズム)を行うこともありますね。
ちなみにステージマジックとテーブルマジックを組み合わせる依頼の方法もあります。
ステージマジックの予算相場
- 若手プロマジシャン 5万円〜10万円
- 中堅プロマジシャン 10万円〜20万円
- メディア露出の多いマジシャン 50万円〜
- 学生マジシャン 交通費〜3万円
時間は30分程度が一般的です。
ステージマジックの対象人数
上記の金額は100人〜300人程度を想定しています。
ステージマジックの場合、演目や対象人数によって料金も変わってきます。
観客が数千人となると、大掛かりな道具を用いる「イリュージョン」と呼ばれるジャンルとなり、上記よりも料金が上がる可能性があります。
場合によっては、数百万となることもあります。
ステージマジックの適したシチュエーション
- 結婚式の披露宴/二次会
- 各種パーティの余興
- 商業施設のステージイベント
- 学校公演
- レストランやホテルのディナーショーetc
多くの人が集まるイベントにはバチっとはまります。
ステージマジックを依頼する際に用意が必要なもの
- ステージ
- 音響やマイク(音響スタッフ)※
- ライティング※
- スモークやレーザーなどの特殊効果(必要あれば)※
- 控え室
- 駐車場※
※に関しては、料金に含まれていることがあります。
ステージマジックはそれなりの準備が必要なことが多いです。ここだけの話、角度や照明にも気を使う必要がありますので、ステージマジックの場合はマジシャンとよく相談してください。
なぜマジシャンの相場は不透明なのか
多くのマジシャンのホームページや派遣サイトでは、どういうわけか料金が「応相談」や「問い合わせください」となっていることが多いのですね。
これは業界の慣例でもあります。マジシャンに限らず、パフォーマーはそういったパターンが多いです。
お客様からすると不便以外のなにものではないのですが、マジシャンとしては「料金=マジシャンの価値」と判断されると思い込んでいる節があるので、なかなか公開するには勇気がいります。
また、上記のように「ジャンルや出演時間によって料金が上下する」ので、メニューとして明快にしにくいという事情もあります。
かくいう私もそうでした。
しかしそれでは、せっかくのマジックを楽しんでいただく機会が減るばかりだと思ったので、目安程度でも明瞭になればと思い、このような記事を書いてみた次第です。
参考リンク:結婚式やパーティに「マジシャンを呼ぶ」7つの方法
いかがでしたか。マジックにも色々とあるものでしょう?
マジックは老若男女問わず楽しめる、魅力的なエンターテイメントです。
あなたにとっても参加者にとっても、きっと特別な思い出になるはずです。
イベントやパーティのコンテンツを考える際には、ぜひ検討材料の1つにいれておいてください。
その中で、私、伊藤大輔があなたの選択肢のひとつになったのであれば、それほど嬉しいことはありません。全力で対応させていただきます。
また、
- こんなプランを考えているのだけど、具体的にどうなの?
- こういうイベントではどんなマジックがいいのかな?
- こんなマジックはできるの?
などなど、マジシャンに依頼するにあたり、ご不明点などがある場合は、相談料などは頂いておりませんので、コンタクトページよりご気軽にお問い合わせください。