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興味本位で心霊スポットに行ったら大変なことになった話|心霊スポットにおける人間の心理
若いときに必ず1度は話題になるの「心霊スポット」。
これは僕が大学1年生の夏の話。
「心霊スポットに遊びに行こう!」という大学生全快の計画が持ち上がった。
特に関心も興味もなかったが、僕もまだ若い。夏の思い出作りという淡い言葉につられて、友人の車で心霊スポットに行く事となった。
行き先はテレビで1度だけ話題になった、その道のマニアが知っているような某トンネル。
男女五人、それぞれ自慢の怖い話で盛り上がりながら、心霊スポットに向かう。
少し気になったのは、友人のAさん。
「私、実は霊感あるんだよね」みたいなことを言い出す。
皆、「ちょっとやめてよw」なんて具合で盛り上がっていた。
そして、噂の心霊スポットに到着。
クールを装いながらも、その雰囲気に圧倒される。
とりあえず、車を出て、散策する事に。
街頭の薄暗い光に包まれている、おどろおどろしいトンネル。
ワーキャー言いながら、しばらく散策するが、幽霊やゾンビや宇宙人は出てこなかった。
「何もなかったね!」なんて言いつつ、皆内心ほっとしながらに車に戻り、帰路につく一同。
事態はここで一変した。
隣に座っていたAさんの顔が妙に引きつっている。
「どうしたの?」
「ミラー…」
ミラーをのぞくが特に何も異変はない。
他の友人も、「またまたw」なんて笑っている。
Aさんはとても真面目な子だ。 僕には演技には見えなかった。
「何かついて…来てる」
そのAさんの普段見せない引きつった顔が皆の空気を変えた。
「…え、まじ?」 「A、大丈夫?」 「ちょっと、早くかえろうよ」
なんて、会話が車内に蔓延する。
そのとき、Aさんがいきなり無口になる。
普段は明るい素直な女の子だ。心配して、声をかけると
「ハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタ」
と訳の分からないことをぼそぼそ小さな声でいっている。
「ハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタハイッタ」
皆、騒然である。 車を止めると、
「ワワワワワワワワワワワワワワワワ」
いきなり変な声で笑い出したのだ。
他の皆が「ちょっとA!大丈夫?」
なんて声をかけても、にやにやしたまま表情を変えない。
車の中は騒然。世紀末である。
僕はマジックはできても、幽霊や宇宙人の退治はできない。
そこで、隣にすわっているAさんの顔面をそこそこの力でビンタして、肩を強くゆらして、 「はい!ほら、大丈夫!ゆっくり深呼吸してから目をあけて」と催眠を解くときと同じようなことをしてみた。当時、まだ催眠は勉強中だったけど。
同時にipodで明るいjpopをかけさせた。
意識が普通に戻った。 冷や汗びっしょりだったけど。
その後は特になにもなく、僕は幽霊退治ができる人とあがめられながら、心霊スポットを後にした。
それから、心霊スポットの誘いはもちろん断っているし、行こうとしている人には一応止めている。
さて、こういった心霊スポットにいくのをおすすめしない理由ですが、僕の過去の記事「”幽霊物件、訳あり物件”をオススメしない理由」に書いてあるのと同じ理由です。
人間の脳は敏感で『そこはいわく付きだよ』って言われてしまうと、普通に考えれば自然な現象も、心霊的な現象だと結びつけてしまうんです。
催眠術を勉強している僕は、人間の思い込みの影響の強さを知っています。『目の前の裸の女性が見えますよ。はい。』ってして、幻覚を見させることもできてしまう。
『いわくつき物件』と聞くと、誰しもが霊的なものを想像してしまいます(実際にはそんなもの信じていなくても)。
すると、心のどこかで残ってしまうので、何か少しでもそれっぽいことが起こってしまうと、いわくつき物件に結びつけてしまいます。
思い込みやすい人は、いわく付き物件であるからゆえに、不可思議な現象が起こっていると思い込み、ある種の脅迫観念を生む。そしたら、幻覚が見えてしまうなんてことも十分に考えられます。
心霊スポットに行って、霊的な体験をした!なんてのをよく聞きますが、恐怖感に包まれた状況なので、脳がどんな影響を受けても不思議じゃありません。
今回の場合、非常に素直で外からの刺激を受けやすいAさんが恐怖のリミッター?を超えて、何かしらの心理的な影響を受けたのかもしれません。彼女は催眠術にも非常にかかりやすかったです。
ビンタをしたり、明るい音楽をかけさせたのは、刺激を与えて意識を切り替えるためです。
ということで、興味本位で心霊スポットやUFOスポットに行くのはおすすめしません。 本当に幽霊や宇宙人がでてきたら、どうしようもありませんからね。笑