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売り上げNo.1のショップ店員がお洒落な服で接客しない理由
売り上げNo.1のショップ店員というと、すごくお洒落な人ってイメージがありますよね。でも、僕がお話した方は、普段着がお洒落かどうかは置いておいて、接客時は意識的にお洒落をしないのです。
何故でしょうか。今日はそんなお話。
売り上げNo.1のショップ店員Yさんは、接客においての自分の行動を、評価される対象がある=有評、評価する対象がない=無評というマーカーを付けて考えていて、有評のものは、「プラス」と「マイナス」に分かれると考えているそうです。
どういうことかというと、「お洒落」というのは「普通」よりどこか違う部分で飛び出ていなくては、お洒落と評価されません。色使いや、ワンポイント、組み合わせ…何かが飛び出ていないと「お洒落である」という評価はされないのです。
何かが飛び出ていることによって、「お洒落である」という評価がされる。これがプラスだと考えましょう。
一方で、ファッションというのは正解がありません。主観で思う「お洒落である」というのは、ある人にとっては、お洒落でない可能性もあります。
ある層には「あの色使いは斬新で素敵!」と思われても、またある層にとっては「なにあの色使い…趣味悪すぎ…」と思われるということです。
この何かが飛び出ているという点で、「お洒落である」と評価されない。これをマイナスとしましょう。
これを踏まえて、ショップ店員にとっての正しい選択肢は何なのでしょうか。
一部の評価を取りにいくために、個性を出すことは、様々な趣向を持つ多くのお客様を相手にするショップ店員からすると、リスクをとっていることになります。
では、どうすればよいのでしょうか。
それは、プラスとマイナスに別れる「有評」より、できるかぎり「無評」の選択をするのです。つまり、可能な限り、個性を抑えた、シンプルで、普遍的な服を着るということになります。
これはあくまでYさんの考え方ですが、ショップ店員の役割は商品をたくさん売り、お店全体の売り上げに貢献することであり、一部の層の評価を獲得し、自分のファンとして常連になってもらい、売ることではありません。あくまで商品の個性にお客様の興味をフォーカスさせなければいけません。自分の自己満足のためのお洒落で、無駄に嫌悪感を与えてしまうリスクは避けるべきなのです。
だから、Yさんは接客時はお洒落はせず、普遍的な服、髪型をし、アクセサリー類も付けずに接客を行っています。そして、結果的に売り上げがNO.1になっている。もちろん、Yさんが売り上げがNO.1なのはそれ以外の要素もたくさんあるでしょうが、1つの要素にはなっていると言います。
Yさんは後輩がお洒落な服装で出勤してくると「お、その服お洒落だね!かっこいい!でも売りたいんだったら、その服はやめたほうがいいよ」とアドバイスするそうです。
相手の興味を引かせる点を際立たせるため、それ以外の個性をできるかぎり抑える。
言われてみれば当たり前ですが、なるほどなと思いました。
しかし、他と比べ、圧倒的に対象の価値を見いだすことができない場合、それ意外の個性を積み上げることで、付加価値をつけるという考え方も一方で正しいと思います。
ケースバイケースであり、バランスの問題だと思いますが、何かを選択する場合の考え方の1つにはなるのではないでしょうか。