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新しい家を探していて「呪われたかな?」と思った時の傾向と対策
不動産業界には怪奇な噂がつきません。
これは以前、僕が新居を探していたときの話。
詳しい場所は言えないが、僕は大阪の中心地で新しい家を探していた。この辺りの不動産に詳しい友人も共に付いてきてもらい、不動産屋にいくつか条件を言って、資料を片手に車で回っていく。
「いやーこの辺りは市街地なんで、なかなか難しいですけど、頑張りました!」
2、3軒回ったが、割と無茶な条件を提示しているにもかかわらず、そこそこ良い物件を紹介してくれた。
「では、最後とっておきのとこ!」
不動産屋さんがよく使う手口だ。最後に一番良い物件を紹介してくる。
大阪の街の中心部まで徒歩圏内の好立地なマンション。
「なかなか良い物件だと思いますよ!」
夕飯時前の夕暮れ時。車から降りて、外観を眺める。バブルの時に建てられたらしく、少し古さは感じる。雰囲気が良いとは言えないが、中はリノベーションされていて綺麗らしい。何より手元の資料によると、かなり広く、相場よりも随分と安い。たしかに好物件かもしれない。
「どうしてこんな安いんですか?」
「さあ?この辺も空き家多いですからね。最近また値下げしたみたいで。早い者勝ちですよ。」
あまり答えになっていないが、不動産屋さんに先導され、アパートに入る。廊下などの共用部分はうす暗く、歴史は感じるが、汚いわけではない。
「全然綺麗じゃん」友人もそう言った。
部屋は1階。
部屋の前に立つ。バブルの匂いが残る重厚な扉だ。
不動産屋が鍵を開け、ブレイカーを上げた。
「どうぞ!」
期待を胸に部屋を覗く。
ああ、綺麗じゃないか。
そう思って玄関に入った瞬間、
背中になにか、ゾッとするものを感じた。
上手く表現できないが、顔の表面から足先まで、全身に鳥肌が立った。
「どうかした?」
後ろを振り返ると、友人しかいない。
「いや、なにも」
気のせいだろう。靴を脱いで、部屋に上がる。
部屋は確かにとても綺麗。この広さでこの値段は破格と言っていいレベルだ。
ただ…ただ、なにやら気分が悪い。吐き気すら感じる。身体がとても重い。
「もう、いいんですか?」
なにかわからないけど、ここはダメな感じがする。
本能的にそう思って、外に出ると少し気分が収まった。
ふと隣の部屋が目に入った。
目を疑った。
扉が開かないように、扉の四辺に分厚い木材が釘で乱雑に打ち止められいた。
開かずの間、になっている。
木材には何やらお経のような小さな文字が所々に書いてある。
キーンと耳なりがした。本当に吐きそうになり、アパートの外に出た。
友人も、不動産屋も言葉を無くしていた。
背筋に汗が下るのを感じた。
「ちょっとなんか、あれですね…笑」
いや、完全にアウトである。
疲れが出たのだろうか。
肩が重く体調が優れないのもあって、 その日はそれで切り上げた。
その夜、何年か振りに金縛りにあった。
肩に体重をかけられている、そんな感じ。
金縛りは脳が引き起こす生理現象だと把握しているので、もう諦めることにしている。
ただ、そんなに疲れることをしただろうか。
いつの間にか寝てしまったが、翌朝、相変わらず、肩が重い。
なんというか肩が凝っていというよりかは、重い。
そうなると昨日のことを思い出す。
呪いとかおばけとか、そういう言葉が頭に浮かんだ。
僕は職業柄、超常現象やら霊的なものは信じていない方だ。
信じてないが、気分が良いものではない。
たまに散歩にいく、近所の小さな神社にお参りにいくことにした。
少しは気分も晴れるかもしれない。
「この手のモノはプラシーボ効果だ」
と自分を慰めながら、神社へ向かう。
鳥居を潜り、お賽銭を投げ、手を合わせ、神社を立ち去ろうとすると、
普段は不愛想な神社のよぼよぼの住職が怪訝そうな顔をして近づいてきた。
「何か、したか?」
「はい?」
「気分よーないやろ」
「…」
「お祓い、しよか。あかんもん付いとるかもしれん」
「……」
言い返す間もなく手を引かれ、15分程度のお祓いをしてもらった。
肩がすっと軽くなった。
「大丈夫や」
そう言って、住職は掃除に戻った。
住職には何かが見えていたのでしょうか。
それとも僕の気のせいなのか。
今も大阪のどこか残る、あの「開かずの間」では一体何があったのでしょうか。
安いには安い、理由があるのかもしれません。
家探しにはご注意を。
まとめ
・何かおかしいと思ったらやめとく
・神社やお寺にいこう
・ぶっち切りで安すぎるのは何かある