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催眠術の掛け方を学ぼう|簡単な方法をプロが大公開!

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この記事では、催眠術の仕組みについて、プロの私がまったりと解説します。

  • 催眠術ってそもそも何?(本当にあるの?)
  • 催眠術の原理
  • かんたんな催眠術の掛けかた

かなり分かりやすく書くので、リラックスして、読んでくださいね。

自己紹介
私はプロのマジシャン・催眠術師として、テレビやパーティでのパフォーマンスの1つとして、催眠術を披露することがあります。その他、催眠術のセミナーを開催したり、教本の監修を行うことがあります。参考: プロフィール

さて、催眠術と聞くとあなたはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。

  • 手がくっついて離れない
  • ゆったりとリラックスする
  • 眠くなる
  • わさびを「甘い」と言って食べる
  • 合図をするとその人のことが好きになる
  • 椅子から立てなくなる
  • 目の前の人が有名人に見える

テレビなどのパフォーマンスで見るのはこのようなものかもしれません。

 

そのほか、物理的に不可能なものでなければ(空を飛べるようになるとか)、および本人の能力をオーバーしていなければ(100m走を10秒で走れるようになるとか)、基本的にイメージできるものであればなんだって可能です。

 

こんなふうに説明すると、いつも言われるのは

いやいや、それってやらせでしょ
「ほんとうにあるの?」

ってことです。

 

思うに「催眠術なんてあるわけがない!」という考え方は、取り方によっては少々危険です。というのも、催眠術というのは、日常生活のどこにでもありすぎるからです。

催眠術の掛け方について知っていただくことで、コミュニケーションを有利にするためのヒントを得られたり、またはそのような心理技術から身を守ることにも繋がります。

 

ということで、簡単な催眠の原理と、誰でも簡単に催眠を体験できる方法をご紹介したいと思います。

疑いながらでも、人は学ぶことができます。

ぜひ、ゆったりとした気持ちで読み進めてください。

 

催眠術とは「科学」である

まず、はじめに大切なことをお伝えします。

催眠術というと、どこかオカルトチックな超能力や魔法のようなものをイメージされるかもしれません。

無理もありませんよね。目の前で、常識では考えられない、不思議なことが起こるのですから。

しかし、催眠術は心理学を主とした技術なのです

 

まだ、ご理解いただくのは難しいかもしれないのですが、その方法や原理さえ知ってしまえば、誰でも驚くほど簡単に掛けることができます。もちろん、あなたにもできます。

あまり知られていませんが、催眠術は元々、カウンセリングや精神医療の世界で発達しました。欧米では治療で使われているところもありますし、大学の学問としても取り扱われています。

 

相手を操作したり、なんだか怖いイメージがあるかもしれませんが、上手く使えば自分の意識を改革したり、誰かを救うことだってできる技術です。もしくは、だれかをゆったりとリラックスしてもらうこともできます。

また、営業やコミュニケーション技術のダブルバインド(参考記事: テレビCMにも使われる催眠誘導技法「ダブルバインドについて」)やイエスセット(参考記事: イエスセットの本当の使い方)などの心理テクニックも、元々は催眠術から派生したものなのです。

 

では、その催眠術とは一体何なのでしょうか。

いよいよ、これから催眠術の正体に近づいていきますよ。

 

体験してみよう!誰にでもかかる催眠術

それではまず手始めに、簡単な催眠術を体験して頂きましょう。

ここまで読んで頂いたということは、

催眠術にご興味をお持ちだということだと思います。

そして、あなたは今、画面をみています。

まだ、何も身体に変化を感じていないかもしれないですし、

もしかしたら、何かこれから起こることにワクワクしているかもしれません。

こんなふうに文章を読んでいると、ゆったりとした気持ちになる人もいます。

さて、ゆっくりと深呼吸をしてから、読んでみてください。

「催眠術なんてあるのかな?」

そんなことを思いながらでも、リラックスして、
あなたは文章を読み進めることができます。

ゆっくりでも、口に出してでも、
どのように読むかはあなたの自由です。

 

では、イメージしてみましょう。

あなたは今、右手にレモンを持っています。

もちろん、イメージの世界です。

 

もっと鮮明にイメージをするために、

実際に手に取ったような動きをして頂いてもいいですし、

頭のなかでイメージするだけでも構いません。

 

レモンは、どれくらいの大きさでしょうか。

あの独特のザラザラとした手触りをイメージすることもできますね。

 

そして、手に持ったレモンを顔に近づけるイメージをすることもできます。

レモンの良い香りを感じることもできるかもしれません。

そのレモンには、切り込みが入っています。

 

そこに親指を突き刺して半分に割ってみてください。

果汁が溢れ出してくるかもしれません。さわやかなレモンの酸っぱい香りを、もっと感じることができるかもしれません。

 

そのレモンを口まで運び、一口かじってみることもできます。

少しだけ口に当てるだけでも大丈夫です。

 

どれくらいレモンの酸っぱい感じがするかはわかりませんが、レモンの酸っぱい香りと酸味が口の中に広がっていることに気づくこともできます。

いかがでしょう。

この文章を読んでいるうちに、なんだかウトウトしてきたり、ゆったりとした気持ちになったり、唾液が口の中でどんどんわいてきた人がいるかもしれません。

もしかすると、レモンの香りが漂ってきた人もいるかもしれません。

「なにをそんな当たり前のことを」

「レモンのことを想像したら酸っぱい感じがするのは当たり前じゃないか」

という声が聞こえてきそうです。

 

そう、その通りです。

催眠術とは当たり前のことをやっているだけです。

 

「言葉によって相手にイメージさせることで、実際に相手の身体に変化を起こす」。

これが催眠術です。とてもシンプルでしょう?

 

そう考えると、あなたの周りのおしゃべり上手な人や、なぜか異性からモテまくる人、どういうわけか営業成績の良いセールスマンなども、言葉の力で相手に影響を与えています。

彼ら、彼女たちは無意識のうちに催眠術を使っているということもできるわけです。

催眠術というのはテレビで見るような「5円玉を見つめて…」みたいな古典的な技術だけではなく、テレビのCMやセールス、恋愛など、日常のいたるところに溢れています。

 

催眠とは一体何なのか

催眠術とは簡単に言うと、「様々な思い込ませる技術を使い、相手の身体や脳に変化を与えること」です。

先ほどのレモンも催眠術と言ってしまえば催眠術です。それをもっと、分かりやすい形で相手の身体に変化を起こしたりする方法(手が固まったり、椅子から立てなくなったり)というのが催眠術の秘密であり、技術ということなります。

多種多様なものがあり、その人の属性に合わせて、その技術を使い分けます。

催眠術の「術」は技術の「術」です。誤解が多そうなのでもう一度言っておきます。

催眠術は、決して魔法や何か不思議なパワーではありません。

誰でも、学べば習得できる技術です。

 

意識と無意識

催眠術について知ってもらうためには意識と無意識という言葉を知って頂く必要があります。

僕たちの頭には、意識と無意識という領域が存在します。

 

意識とは、理性とも言い換えることができます。

無意識とは、本能とも言い換えることができるでしょう。

 

僕たちは普段、理性で行動をコントロールしています。

初対面の人には自分を曝け出さないようにしようとか、ダイエット中だから食べすぎないようにしようとか、僕たちは理性があるからこそ社会生活を営むことができます。

 

すごく分かりやすく言い換えると、僕たちは普段、心にバリアをしているということです。

なぜなら、意識の先にある「無意識」は、とても素直で、繊細だからです。

無意識は、言葉による命令や指示を素直に聞いてしまう性格があります。

 

催眠術のテクニックは、この心のバリアを突破して、相手の無意識にアクセスする方法だということもできます。

相手の無意識に影響を与える。これがいわゆる「暗示」というものです。

 

催眠術のテクニック

では、ここで一つ、具体的なテクニックをお教えしましょう。

例えば、簡単なところでいうと「どこか一点に集中させる」。

専門用語で凝視法と言ったりします。

 

催眠術のデモンストレーションで、五円玉も紐の先にぶら下げて「眠くなる〜」というやつありますよね。まさにあれです。

 

これはどういう意味があるのかというと、人は一点に集中していると、それ以外の情報を意識することができなくなるのです。

あなたも、テレビを集中して真剣に見ている時、時間が早くすぎてしまったり、周りの声が聞こえなくなったことがありませんか?

もしかすると、この画面を見つめている今、この瞬間もなにか意識に変化があるかもしれません。

 

このような状態は意識のバリアが薄まっている状態だということができます。ぼーっとしているときは、いつもはしないような行動を取ってしまったり、ついうっかりモノを忘れてしまったりすることがありますよね。

 

このような状態では(トランス状態といいます)、表面的な「意識」でなく、無意識に情報が入っていきやすくなるわけです。その時に言葉によって指示を与えます。

 

例えば、「手が開かない!」だとか。

すると、脳はその指示に素直に従ってしまいます。

催眠術のテクニックというのは相手の意識のバリアをすり抜けるために使います。

 

催眠術には多種多様なテクニックがあります。

公にするのは危ない技術もあるのでここでは一部のみのご紹介に留めます。

 

手が固まる催眠術

例えば、手をグーの形にしてもらいます。

どこか一点を見つめさせます(凝視法)。

爪の先でもいいでしょう。

 

そこで

「手が開かない!(暗示)」

と強く語りかけます。

 

これだけです。

 

これだけで、僕の感覚だと20人に1人くらいは手が固まります。

言い換えると、抜群に被暗示性が高い、催眠術に掛かりやすい人ならこれだけで本当に固まります。

 

一応、かけた催眠はしっかり解いてあげてください。

「3つ数えると解けます!1,2,3!」

これで大丈夫です。

 

嘘みたいな本当のお話です。

もちろん、これが全てではありませんよ。

 

この20人に1人とかいう確率をあげていくのが催眠術の技術です。

きちんと学べば、実際には2人か3人に1人くらいは掛かります。

 

被暗示性(催眠術のかかりやすい人)の見分け方や、タイミング、喋り方、振る舞い、暗示の入れ方、経験や知識、その他諸々。

 

この辺りはちょっとここでは書くのは辞めておきます。

少々危なっかしい技術でもあるので。

 

テレビでよく見る「指をならしたら犬になる!」、みたいな催眠術も基本的にはレモンや手が固まると同じです。

基本的には催眠術は弱いものから、徐々に強いものに掛かるようになります。 ちなみに「手が固まる」は運動支配と言って、一番浅い催眠術です。ここから感情や記憶など、より深い催眠を掛けていきます。

ただテレビの場合、時間が限られていることもありますから、本番前に催眠術にかかりやすい人を選び、その上であらかじめ催眠術を掛けている場合がほとんどです。ですから、テレビの「指をならしたら犬になる!」だけを見たら、色々と疑いたくなる気持ちも分かります。

 

加えて、よく質問があるのでお答えしておくと、テレビなどで催眠術氏が「眠って!」というと、ゆったりと眠っている様子を見たことがあるかもしれませんが、これも予備催眠ありきのお話です。

そして、実際には眠っているわけではなりません。催眠誘導によって、深いトランスに入っている状態です。

ですので、その時言われていたこともわかりますし、意識もあります。感覚的には夢を見ていたり、列車の中での居眠り寸前くらいのあのゆったりとした、心地良い感じです。

細かい話をすると瞬間催眠というのがあるのですが、ここでは入門編ということでこのくらいで留めておきます。

 

ちなみに、催眠術は無意識にアクセスするため、本能がより強くなります。

ですので、相手が本心から拒否することをイメージさせ、実行させることは不可能です。わさびが好きになりますだとか、虫が好きになります!という催眠術は掛かっても、今から崖から飛び降りたくなります!は防衛本能が強く働くのでかかりません。

 

さらに、催眠術は相手のイメージ力を一時的に引き延ばしているだけなので、 一定時間がすぎると徐々に解けていきます。どれだけ好きな映画に興奮しても、家に帰ったら、ある程度収まっているでしょう。 それと同じです。

 

だから悪用はできません…と言いたいところなんですが、本当に上手な人ならこの辺りも技術でカバーしてしまうのが怖いところです。

 

ざっくり簡単にお話ししましたが、どれくらいイメージできたでしょうか。催眠術は言葉で相手の心と体に影響を与える技術。日常の会話はもちろん、恋愛やビジネスの場でのコミュニケーションの強力な武器にもなります。

 

興味のある方は是非、以下の無料講座からより深く学んでみてください。または私も、催眠術のレッスンを行っているので、お好きな方法で催眠術を楽しく、学んでみてください。

 

催眠術関連の著書やブログを執筆されている愛沢なつめさんの無料のブログ催眠講座です。私も監修しています。

少し重複する部分もあると思いますが、より詳しく、催眠の基礎を学ぶことができます。

 

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