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催眠術の正体

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「催眠術」と聞くと、あなたはどのようなイメージをお持ちですか?

もしかすると、テレビなどでこのような光景を見たことがあるかもしれません。

 

  • 手が固まって開かなくなる
  • 声が出せなくなる
  • わさびを甘い甘いと言って食べるようになる
  • 目の前の人が裸にみえる
  • サルの真似をする
  • 誰かを好きになる

 

…あなたの言いたいことは分かります。

いきなりこのような光景を目にしたら、

 

  • なんだか嘘っぽい…
  • やらせなんじゃないの?

 

なんて思うのも無理もありませんよね。

実際のところ、催眠術とは一体何なのでしょう?

実は催眠術は誰にでも簡単に習得できる心理技術なのです。

その正体に少し、足を踏み入れてみましょう。

あなたも既に催眠術に掛かったことがある!?

どういうわけか催眠術は日本では全く広まっておらず、どこかオカルトじみたイメージが先行していますが、催眠術はやらせでも特殊能力でもなく、

心理学や脳科学を応用した「言葉によって、相手の意識に影響を与える技術」です。

欧米では医療などでも使われています。

いまいちピンとこないかもしれませんね。

では、このような経験に心当たりはないでしょうか?

 

  • 欲しくなかったモノを店員の話を聞いて購入してしまった
  • 気にも止めていなかった相手から好意を伝えれ、気になってきた
  • 本を読んでモチベーションがあがった
  • 褒められたら、やる気がでた
  • テレビで料理番組をみていたらお腹が減ってきた

 

どなたでも多かれ少なかれ、思い当たる部分があるかと思います。

よく考えてみてください。

これらはどれも、言葉やイメージが自分の頭に入り、影響を受けた結果と考えることはできませんか?

そうです、実はあなたも催眠術というものには既に触れています。

それどころか、催眠術は日常に溢れているとさえ言えます。

「合図をすると手が固まったり、サルの真似をしだす」ことと「テレビショッピングを見て、商品が気になって買ってしまう」ことは本質的には同じなのです。

催眠術をもう少し詳しく説明するならば「効果的に言葉と心の働きを利用し、”日常ではありえないレベルの影響を与えること”を可能にする技術」と言うことができます。

 

催眠術を体験してみよう

なんとなく催眠術というものをイメージできた方もいるかもしれませんが、言葉だけではなんとも伝わりにくいかもしれません。

では、ここで1つ、この場であなたに簡単な催眠術を体験して頂くことにしましょう。

以下の文章をゆっくり、リラックスして読んでみてください。

光景を頭にイメージしながら、実際に手を動かしてみてください。

あなたの右手には、1つのふたの付いたガラスの容器が握られています。

中には綺麗な紅色に染まった「梅干し」がたくさん入っています。

あなたは容器のふたを開けます。

ふわっと、あの独特の酸っぱい香りがします。

その容器から大きな梅干しを1つ、
手に取ってみてください。

見るからに酸っぱそうな梅干しです。

それを一気に、口の中に入れてみましょう。

噛むと、とっても酸っぱい果汁と香りがぶわっと、
口の中に一気に広まります。
とっても、酸っぱい。

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さて、いかがでしょう。あなたの口の中に変化が起こったはずです。

文章を読む前より、唾液が多く分泌されているのを感じたのでならば、
僕はあなたに簡単な催眠術をかけることに成功したということになります。

「梅干しをイメージしたら、唾液が出るのは当たり前だろう」と言う方もいるかもしれません。

そうです、催眠術とはその程度のものです。

当たり前のことをしているに過ぎません。

そのためのちょっとしたコツが催眠術師が学ぶ技術ということになります。

 

催眠に掛かる人、掛からない人

もしかすると、先ほどの文章を読んでも「なんともないよ!」という方もいるかもしれません。

それが催眠術でいうところの「被暗示性」、つまり催眠術に掛かりやすい人と掛かりにくい人との差です。

また、当然相手が催眠術に抵抗している場合や、そもそも掛かる気がない場合は不可能ではありませんが、掛けるのは難しいです。

よく誤解されていますが、万人に催眠術を掛けることはできないのです。一流の催眠術師でもです。

ただ、催眠術師はその掛かりやすい人と掛かりにくい人を見極める知識を持っています。僕も含めてですが、テレビなどで催眠術を披露する場合、時間も限られているため、本番前に その「見極め」を行い、掛かりやすい人だけに掛けていることがほとんどです。この辺りが視聴者に見えないために、催眠術に対する誤解が広まっているのかもしれません。

 

催眠術を信じないは危険!?

ここまで説明すると、催眠術とはどのようなものか、なんとなくイメージできたかと思います。

ただ、中には「催眠術なんてあるもんか!」と頑に否定する人がいるかもしれません。
気持ちは分かりますが、1つ警告をしておくと、催眠術を信じないというのはある意味危険なのです。

最初に説明したように、催眠術とはどこにでもあり、催眠術師はどこにでもいます。

 

  • 凄腕のナンパ師
  • 人気ナンバーワンのホストやホステス
  • 一流のセールスマン
  • テレビコマーシャル
  • おしゃべり上手なおばさん
  • 人気の予備校講師

 

このような人たちは、無意識に催眠術の原理を使っています。

催眠術とは「言葉を用いて心に影響を与えることだ」と言いましたが、日常では何の影響も受けずに過ごすことはできません。

ですが、知識があれば、どの影響を受けるか選別するくらいはできます。
知らない間に誰かにコントロールされるより、いくらか健康的ではありませんか?

「ああ、催眠術って実際にあるんだな」という考えが、あるのとないのでは計り知れない差があります。
ですから、催眠を全く信じていないというのは、この情報社会と呼ばれる現代では無防備で危険なのです。

いかがでしたか?

催眠術はコミュニケーションにおいて、防御にもなり便利なツールにもなります。

 

まとめ

・催眠術は心理学や脳科学を用いた技術である
・催眠術とは、言葉を用いて相手の心に影響を与えること
・「催眠術を信じない」は危険である

 

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